日本映画の金字塔と言われるだけに今見ても面白い。オススメです。
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- ストーリー
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- 名シーン
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- 映像
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- 演技
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- テンポ
- 4
評価:
「犬神家の一族(1976)」の概要
あらすじ
名探偵・金田一耕助 登場。華麗なる連続殺人事件。 日本の製薬王が残した莫大な遺産と謎の遺言状。呪われた一族の抗争を予期した顧問弁護士は名探偵・金田一耕助を呼び出すが、彼と会う前に何者かに殺害されてしまう。それを契機に、一族が次々と手の込んだ殺され方で命を落としていく。湖に突き出た逆さの足、菊人形につけられた生首…。犬神家の家宝である斧(ヨキ)・琴(コト)・菊(キク)に隠された秘密とは?
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出演・監督・ジャンル等
- 出 演 :石坂浩二, 高峰三枝子, 三条美紀
- 監 督 :市川崑
- ジャンル:サスペンス, ホラー, ドラマ
- 上映時間:145分
- 国 :日本
- 公開年 :1976年
以下「犬神家の一族(1976)」のネタバレあり。
「犬神家の一族(1976)」感想①ミステリーでなく名作ドラマとして価値あり
事件の真相は今となってはどうしても古臭くなってしまっていて、ミステリーとしては大したことないが、この作品の魅力はそこではない。今見てもこの作品が面白いのはドラマとして名作だからだろう。
猟奇的な殺人事件のグロテスクなシーンや犬神家(というより犬神佐兵衛)の異常性がじわじわと明らかになる所は見ていて面白い。また、そういった影の雰囲気一辺倒ではなく、時折コメディなタッチで緩急をつける。このバランスが良く、飽きずに見ることができた。
「犬神家の一族(1976)」感想②あの名シーンが見れて満足
「犬神家の一族」を見ていなくても「逆さ足」のシーンだけは知っている方も多いだろう。私もその類で、いつ「逆さ足」のシーンが来るかと待ちわびていた。
スケキヨに変装した青沼静馬が松子に正体をばらし、「犬神家に復讐してやる!ハハハハハ!」と大見えを切った直後に「逆さ足」で死んでいる青沼静馬。しかも画面端で小さく。テンポといい、構図といい、かなりシュールで笑ってしまった。
名シーンである「逆さ足」はもっとおどろおどろしいシーンかと思ったが、こんなにシュールだったとは…やはり元ネタは見ておくべきである。
「犬神家の一族(1976)」感想③俳優の演技が良い
演技はスケキヨ(本物)以外みんなうまい。特に犬神家の3姉妹は良い。上品を取り繕っているがゲスな内面がにじみ出てしまう絶妙な演技で、犬神家の陰湿な雰囲気を成り立たせている。
また、主役の金田一の飄々とした雰囲気がたまらない。彼が話すだけで自然と注意を引く不思議な魅力があった。
ちょい役の宿屋の主人ですらいい味を出している。
「犬神家の一族(1976)」感想④定番の無能刑事にニンマリ
名探偵ものには定番の無能刑事役として署長が出てくる。お約束なやり取りでニヤリとしてしまう。
「凶器は肉の厚い植木ばさみ、花ばさみのようなものです」
「花ばさみなら…犯人は女か?女だ!」
めちゃくちゃ怪しい庭師の猿蔵が容疑者にいるのに、女と断定する署長。気持ちいいぐらいサクサクと迷推理をしてくれる。
日本人でちょび髭があると無能に見えるの不思議。
【余談】「犬神家の一族(1976)」感想⑤松子が祀っていた「絵」は何なのか
松子が祀っていた謎の絵。この正体はどうやら「犬神」らしい。上の絵は岡熊臣「塵埃」だが、本映画の絵とほぼ一致する。
犬神家だから犬神信仰ということで入れたシーンらしいが、原作にはないとのこと。いまいち意味が解らないカットだった。
【余談】「犬神家の一族(1976)」感想⑥当時のお金の価値は約10~15倍
犬神佐兵衛の遺産総額は約25億と作中であったが、一体どれほどの価値なのだろうか。
当時の物価がわかるサイト「戦後昭和史 (shouwashi.com)」で確認してみると、物によって異なるが、約10倍から15倍程度の価値があったようだ。そのため、犬神家の遺産総額は約250~375億程度。人を狂わすには十分な額だろう。
一方、金田一耕助がもらった報酬3,500円+経費420円は、現在の価値で49,200~58,800円…安すぎる。
最後に
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- ストーリー
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- 名シーン
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- 映像
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- 演技
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- テンポ
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評価:
残念な点として映像・音声に乱れがあったところ。4Kデジタルリマスター版が作成されたため、リマスター版のほうは修正されているかもしれない。
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