映画「名探偵ピカチュウ」と言えば、おっさんくさいピカチュウであったり、しわくちゃなピカチュウがイメージ先行していたが、普通に面白いと評判だったので今更見てみたが中々よかった。
ポケモンの世界観がしっかり表現されている良作でした。
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- ストーリー
- 3
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- ポケモン愛
- 5
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- 映像
- 4
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- 演技
- 3
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- テンポ
- 4
評価:
「名探偵ピカチュウ」の概要
あらすじ
かつてポケモンのことが大好きな少年だったティムは、ポケモンに関わる事件の捜査へ向かったきり、家に戻らなかった父親・ハリーとポケモンを遠ざけるようになってしまった。それから年月が経ち、大人になったティムのもとにある日、ハリーと同僚だったというヨシダ警部補から電話がかかってくる。「お父さんが事故で亡くなった―」。複雑な思いを胸に残したまま、ティムは人間とポケモンが共存する街・ライムシティへと向かう。荷物を整理するためハリーの部屋へと向かったティムが出会ったのは、人間の言葉を話し、相棒だったハリーの死に疑問を抱く名探偵ピカチュウだった…
出典:Amazon.co.jp: 名探偵ピカチュウ(吹替版)を観る | Prime Video
出演・監督・ジャンル等
- 出 演 :ジャスティス・スミス, ライアン・レイノルズ, キャスリン・ニュートン
- 監 督 :ロブ・レターマン
- ジャンル:コメディ, サスペンス,キッズ, 冒険, アクション
- 上映時間:104分
- 国 :アメリカ・日本合作
- 制作年 :2019年
以下「ネタバレ」あり。
「名探偵ピカチュウ」感想①ポケモンが現実にいるような世界観がGOOD
ポケモンと人間が共存する街「ライムシティ」、この街がとても魅力的だ。近未来的な街並みにポケモンが違和感なく溶け込んでいる。
「もしも現実世界にポケモンがいたら…」という想像をほぼ完璧に再現している。
「名探偵ピカチュウ」感想②ポケモンの挙動が可愛い
主役であるピカチュウは勿論のこと、作中に出てくるポケモンが本当に良くできている。
色々なポケモンが出演していて、どのポケモンも1体1体丁寧に描写されている。ポケモンのサイズは設定どおりで、そのポケモンがやりそうな挙動を行う。
カフェでプリンが歌っていると聞いていた人が寝てしまってそれに腹を立てたり、ミュウツーの暴走シーンであったり、コイキングを小突いたらギャラドスに進化して逆襲されるなど、原作アニメから引用されたシーンが多い。
原作を映画化した際にやりがちな「原作のキャラクター性を無視した表現」はない。制作陣の愛を感じる。
「名探偵ピカチュウ」感想③飽きさせないテンポの良いストーリー
話の展開が早く、見ていて飽きない。何故か話すことができるピカチュウから始まり、父親の死の謎を追いながらテンポよくストーリーは展開されていく。
コメディタッチに話は進みつつ、父の死の真相を追うことで父と向き合い、子どもの頃はわからなかった父親の愛に気づくシーンは少しぐっと来る。
また、場面ごとに何かしら新しいポケモンが現れ、前述したようにその挙動が素晴らしいので常に目を引く。見ていてダレるシーンがない映画は貴重である。
「名探偵ピカチュウ」感想④ご都合主義な設定
ここからは残念な点について触れる。テンポの良いストーリーと言ったが、ストーリー展開の仕方は雑だ。

まず、ミュウツーがとんでもない能力を持っている。
「対象の記憶を消す」
「傷を癒す」
「人間の魂を意識を失ったポケモンに移す(人間の体は消える)」
「人間の魂が入ったポケモンから人間の魂を抜く(人間の体が現れる)」
「Rガス散布装置を一瞬で消す」
いくら人工的に創られた最強のポケモンとはいえ、何でもかんでもやりすぎだ。あらゆる謎をすべてミュウツーの超能力が解決してしまう。
「名探偵ピカチュウ」感想⑤ポケモンと人間との絆要素が薄い
結局主人公の相棒であるピカチュウの中に主人公の父親の魂が入っていたため、主人公とピカチュウとの絆は、父と子の絆に上書きされてしまい、「もし自分のポケモンと話すことができたなら」という魅力的な要素を曖昧にしてしまっていた。(どれだけ父親の魂がピカチュウの人格に影響を与えたか未知数だが、純粋なポケモンとの絆として語ることができなくなってしまっている。)
「ライムシティ」ではポケモンバトルは違法であったり、遺伝子研究所で悪用されるポケモンであったり、ポケモンと人間の絆をテーマにできそうな要素は散りばめられているのだが、それらが作中で明確に問題視されていないため、サラッと終わってしまう。
見せ方次第で「ポケモンと人間の絆」というテーマも十分表現できる下地があったため、それが無いのは残念に思う。主題である「父と子の絆」がボケてしまうからその様にしたのだろうが、せっかくポケモンを舞台にしたのだから「父と子」よりも「異種族との絆」をテーマにしたほうがポケモンにマッチしていたのではないだろうか。
最後に
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- ストーリー
- 3
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- ポケモン愛
- 5
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- 映像
- 4
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- 演技
- 3
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- テンポ
- 4
評価:
総評としては飽きることなく気楽に見れる良作だった。
2作目があったら見ようかなと思うぐらい、ポケモンの挙動や世界観は良かった。逆に言えばポケモンのCGや世界観を受け入れられないとこの作品は駄作になるかも。
あとはもう少しストーリーがちゃんとすれば名作になれたのではないかな。もし次回作があれば大人も楽しめるディープなテーマを扱ってほしい。
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