ネタバレ感想「ハッピー・デス・デイ」気楽に見れるコメディ映画として最適

 友達と酒飲みながら見るにはちょうどいい映画。コメディだからホラーを期待するとダメです。

  • ストーリー
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  • 笑い
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  • 映像
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  • 演技
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  • テンポ
    5

評価:

目次

「ハッピー・デス・デイ」の概要

『ハッピー・デス・デイ』予告編 – YouTube

あらすじ

 誕生日に殺された主人公が目を覚ますと再びその日の朝に戻り、自分が殺される誕生日を何度も繰り返すことになる姿を描いた新感覚のタイムループホラー。(中略)イケてる女子大生で遊んでばかりのツリーは、誕生日の朝も見知らぬ男のベッドで目を覚ます。慌しく日中のルーティンをこなした彼女は、夜になってパーティに繰り出す道すがら、マスク姿の殺人鬼に刺し殺されてしまう。しかし気がつくと、誕生日の朝に戻っており、再び見知らぬ男のベッドの中にいた。その後も同じ一日を何度も繰り返すツリーは、タイムループから抜け出すため、何度殺されても殺人鬼に立ち向かうが……。

ハッピー・デス・デイ : 作品情報 – 映画.com (eiga.com)

出演・監督・ジャンル等

  • 出 演 : ジェシカ・ロース, イズラエル・ブルサード
  • 監 督 :クリストファー・ランドン
  • ジャンル:サスペンス, コメディ, ホラー, 洋画
  • 上映時間:96分
  •    :アメリカ合衆国
  • 公開年 :2017年(日本2019年)

以下「ハッピー・デス・デイ」のネタバレあり。

「ハッピー・デス・デイ」感想①テンポよく進むサスペンス・ミステリー

 この映画は無駄なくサクサク進むので、見ていて飽きない。開始10分程度で主人公のツリーは殺され、ループする世界に入り込む。ホラーにありがちな”焦らし”の部分も少なく(良質なホラーはそこも面白さの一つだが)、物語の本題にスッと入っていく。

 また、ツリーはかなりアグレッシブで、犯人の正体やループの謎を解くためにガンガン行動していくため、こういったスプラッターホラー物にありがちな「おバカな登場人物の行動にイライラする」ということもなく、気持ちよく見ていられる。それどころか「そこまでやる!?」と思うぐらいアグレッシブであるため、ツリーの行動に意外性もあって楽しく見ていられる。

「ハッピー・デス・デイ」感想②だんだん主人公に感情移入させられる仕掛けがグッド

 物語冒頭のツリーは本当にひどい人間で、とても感情移入できない。挨拶は無視するし、ルームメイトの誕生日祝いのケーキを目の前でごみ箱に捨てる等、規格外のクソ女だ。

 しかも尻軽ビッチである。そのため、最初は「ホラー映画で序盤で必ず殺されるビッチキャラが、何度も生き返ってわーきゃー言いながら立ち向かうコメディかな」と思わせるような作りで、ツリーが死んでもコメディのワンシーンでしかない。

 だが、ツリーは、ループを繰り返すことで、徐々に人間として成長していく。自分を大切にしてくれたカーターと出会ったことを切っ掛けに、自分の人生を見つめ直してからは、とても魅力的な女性に様変わりしていて、その頃には観客も応援したくなっただろう。

 ただのスプラッター系には見られないヒューマンドラマがあり、飽きさせない工夫が良い。

「ハッピー・デス・デイ」感想③適度に挟まれるコメディシーンが面白い

 ベースはホラーだが、この映画の本質はコメディパートだ。要所要所で笑いどころを抑えている。

 1日を何度も繰り返しても殺され続けるため、カーターに相談した所、「死んでもいいから容疑者を一人ずつチェックしていって犯人を突き止める」方法を提案されブチぎれるツリーだったが、段々ノリノリになって「どうせリセットだし~」と調子に乗り出す。

 最終的には全裸で歩き回りながら道行く人たちを挑発しだす。デスループを前向きに楽しんでいて面白い。

ノリノリでデスループを楽しむツリー

 

「ハッピー・デス・デイ」感想④丁寧な伏線が良い

 ミステリーとしても丁寧に作られており、真犯人の伏線がちゃんと張られている。

 例えば、殺人犯トゥームズがマスクを外して顔を見せつけるシーンだ。

被害者とコミュニケーション取るタイプのシリアルキラー

 今までの犯人は一回もマスクを外すことがなかったし、ツリーが「顔を見せろ臆病者!」と言っても外すことなくツリーを殺害してきた。

 ここにきて、急に自分からマスクを外す点に違和感が生まれる。また、顔を見せた途端ベラベラ喋り出す。これも、今まで一言も喋ってこなかった犯人とは異なる点だ。

 見ている最中は「今まではたまたまマスクを外さなかっただけ、喋らなかっただけか」と処理してしまうが、実は今までの犯人とは別人の伏線だったということがわかる。

 また、警察車両を爆破される場面で使用される火種にも注目だ。

誕生日ケーキ用の小さな蠟燭で火をつける

 犯人は誕生日ケーキ等に用いる小さい蝋燭を使って、ガソリンに火をつけてツリーを爆殺した。これは、誕生日ケーキを用意していたロリが犯人であることのヒントになっている。小さい蝋燭に違和感を持っても、「ポスターの犯人が誕生日ケーキを持っているし、誕生日に因んだ殺し方をするタイプのシリアルキラーなのかな」と処理してしまうだろう。

 さらに、ポスターの犯人が持っているのはロリが用意したケーキであり、思い切り犯人のネタバレ画像になっているところも面白い。

「ハッピー・デス・デイ」感想⑤ループを繰り返すと負荷がかかる設定は微妙

 何度かデスループを繰り返すと、死んだときの後遺症が段々と蓄積し、ひどい時はそのまま倒れて入院してしまうほど。そのため、無限に死ぬことはできず、タイムリミットが迫っているという危機的要素があったのだが、これがあまり機能していなかった。

 この設定が判明する場面でこそ、ループ開始直後に気絶するぐらい体に限界が来ている様子なのだが、そのあとは割と元気に動き回っていたし、いまいちこの設定が生きてこなかった。このような曖昧な制限であれば無いも同然だ。

 他の部分が丁寧に作られていたので、この設定は蛇足に感じて少し残念だった。

最後に

  • ストーリー
    3
  • 笑い
    4
  • 映像
    4
  • 演技
    4
  • テンポ
    5

評価:

 本作は「心揺さぶられる」名作には及ばないが、エンタメとしては良くできている作品であり、続編である「ハッピー・デス・デイ2U」も見てみたいと思うぐらいには面白い。しかし、表紙の雰囲気に騙されてホラーを期待して見た人にとっては、肩透かしになるのかもしれない。

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