目が覚めたら棺桶に閉じ込められた男。棺桶に残された電話で何とか脱出を試みるが…
これだけ面白そうなシチュエーションから繰り出されるつまらない展開とクソみたいなラスト。お勧めしません。本当にどうしようもない映画でした。
-
- ストーリー
- 1
-
- 胸糞ラスト
- 5
-
- 映像
- 3
-
- 演技
- 4
-
- テンポ
- 2
評価:
「[リミット]」の概要
あらすじ
イラクで働くアメリカ人労働者ポール・コンロイは襲撃を受け、目覚めたら棺に入れられ土の中にいた。手元にあるものは携帯電話、ライター、ナイフ、ペン、酒。なぜここに入れられたのか?果たしてここから脱出できるのか?残された空気からタイムリミットは迫っている。
Amazon.co.jp: [リミット] (字幕版)を観る | Prime Video
出演・監督・ジャンル等
- 出 演 :ライアン・レイノルズ
- 監 督 :ロドリゴ・コルテス
- ジャンル:サスペンス,ワンシチュエーション
- 上映時間:95分
- 国 :スペイン,オーストラリア
- 公開年 :2010年
以下「[リミット]」のネタバレあり。
「[リミット]」感想①電話でのやりとりが本当にイライラ
棺桶に残された携帯電話で助けを呼ぶためにいろいろなところに電話するのだが、主人公が興奮して伝えるべき情報を伝えず、話が進まないところは本当にイライラする。
電話先の人が他人事な態度であったり、淡々としているのはリアリティとしては当たり前なので問題ない。むしろ問題はちゃんと事情を説明せずに切れ散らかす主人公である。例えば以下のようなやり取りだ。
状況:奥さん(リンダ)の携帯電話が留守電だったため、主人公はドナという女性に電話をかける。

ポール?



リンダは?



わからないわ。携帯に電話すれば?



パソコンは?



あるわ



国務省の電話番号を調べろ



今から買い物に…



頼む調べてくれ



でも…



早く調べろ!



怒鳴らないで



いいから調べろ!電話番号を調べるんだ!!
その後女性は怒って電話を切ってしまう。しかし主人公は自分の事情を一切説明せず切れ散らかしたわけで、こうなってしまうのは当たり前である。余りにも馬鹿すぎてイライラしてしまう。
パニックになるシチュエーションではあるし、こういうサスペンスでは自らのミスで窮地に陥るのは定番だが、それが度を超すと不快なだけだ。
「[リミット]」感想②展開が単調で飽きる
ワンシチュエーションものは「同じ場面が続くため飽きやすい」という弱点を抱えているが、良質な同ジャンル作品は飽きさせないためにテンポよくストーリーを展開させている物が多い。一方この作品はそういったこともなく、ひたすら電話するだけ。ワンシチュエーションものの弱点がモロに出ており、それを克服する工夫はない。
いや、唯一ある工夫として蛇が出てくる。しかし何故いままでいなかった蛇が急にズボンの中に現れたのか、蹴れば踏みつぶせそうな小さい蛇を追い払うために密室で火を使うのは何故なのか、蛇が逃げていく穴はいったい何なのか、その穴を拡張すれば棺桶を壊して出れたのではないか。と視聴者に疑問だけを残す謎の展開なので、「なんだこのシーン…」感がすごい。
「[リミット]」感想③胸糞ラストで余韻が最悪
主人公がバカでパニックになって事態が悪化しても、最終的に助かるのであれば、まだ救いはあったがこの作品は助かると見せかけて助からない。
窒息まであと少しという場面で、テロリストからアメリカ人を埋めた場所を聞き出したテロ対策のブレナーが棺を掘り起こしているが、その棺は3週間前に埋められた別のアメリカ人「マーク・ホワイト」の棺で、主人公の棺ではなかったことがわかって映画は終わる。
「はぁ?」
どんでん返しや「衝撃のラスト」が好きな人は肯定的にとらえているかもしれないが、正直この作品は「予想を裏切って期待を裏切る」もので、面白いものではない。
「[リミット]」考察①犯人の目的は本当に身代金だったのか?
主人公を誘拐した犯人の目的はいったい何なのか?誘拐して身代金を要求しているのだから、お金が目的だと作中では語られている。だが、身代金目的にしてはやり方がメチャクチャではないだろうか。
- 人を生き埋めにするという労力がかかることをしている。
- 他の人質である「パメラ・ルティ」は生き埋めにしていない。
- 過去に「マーク・ホワイト」を誘拐してアメリカと交渉していることから、アメリカから身代金を取れないことを知っている(「マーク・ホワイト」誘拐事件の同一犯だった場合)
- 人質に直接身代金を要求させるわりに、連絡先もなく、手を縛り、電話やメモを足元に置くなど身代金を支払いづらいやり方をする。
- 500万ドルから100万ドルにあっさりと値下げする。
- 無駄に指を切る動画を撮らせた。またそのあとのリアクションがない。
このことから、犯人は主人公もしくはアメリカ人に強い恨みを持ち、苦しめながら殺したかったのではないだろうか。そうでなければ、あまりにも犯人の行動はメチャクチャである。
「[リミット]」考察②「マーク・ホワイト」は生存していたのか?
作中に出てくる「マーク・ホワイト」は結局生きているのか?私は死んでいたと思う。
テロ対策のブレナーは過去にアメリカが人質救助した人物として「マーク・ホワイト」を挙げているが、物語最後はブレナーが「主人公の棺」ではなく、「マーク・ホワイトの棺」を掘り起こしたことを伝える。つまり「マーク・ホワイト」は3週間前に埋められ、そのまま発見されることがなかったのだろう。「マーク・ホワイト」が過去に救助されたというのは、ブレナーが主人公を励ますためについた嘘である。
実は「マーク・ホワイト」が3週間前ではなく主人公と同時期に生き埋めにされ、そちらは救助された可能性もあるが、最後の電話から「マーク・ホワイト」の声は聞こえないし、同時期に埋めるのであれば同じ場所に埋めるだろうから、その可能性は低いだろう。
最後に
-
- ストーリー
- 1
-
- 胸糞ラスト
- 5
-
- 映像
- 3
-
- 演技
- 4
-
- テンポ
- 2
評価:
友人に「おすすめのワンシチュエーション映画ないか?」と聞いて、オススメされた映画だったためハードルは上がっていたが、こんなにつまらない作品を見せられるとは思わなかった。こんなに面白そうなシチュエーションでどうしてこうなってしまったのか。
いっそのこと15分のショートムービーぐらいに圧縮できれば、良くできた作品として見れたかもしれない。何にせよどんでん返しをすればいいというものではないし、ワンシチュエーションものであればちゃんとストーリー展開で勝負してほしい。
コメント